2009年8月21日金曜日

ぼくはうみがみたくなりました




「ぼくはうみがみたくなりました」
という本に出会ってから、もう5年近い年月が経過したことになる。

この本を知るきっかけになったのは、卒業後はじめて開催された中学同期会。そこで再会した面々でML(メーリングリスト)を立ち上げたのだが、ある日、そのMLに「つくしんぼ」に遊びに行きませんか?というメールが流れた。

最初、その「つくしんぼ」がどういう場所であるか、全くわからなかったのだが、いろいろ話を聞いているうちに、クラスメイトだった女性が「自閉症」という障害をもつ子供の母親であり、ご主人である山下久仁明さんが、そのような障害児のための放課後の遊び場として、「フリースペース・つくしんぼ」を運営していることがわかった。そして、その山下久仁明さんが「ぼくはうみがみたくなりました」という本を出版されたことを知り、すぐに出版社から取り寄せて一気に読んだのだ。

「ぼくはうみがみたくなりました」を読み終えた時、なにか清々しい気持ちにさせられたことを今でもおぼえている。「自閉症」という障害のこと。そのような障害を持った子供のこと。そのようなお子さんを持つ親のこと。たくさんのことを知った。

「自閉症」と「引きこもり」が同一であるかのように思われがちだが、「自閉症」という障害を持つ子供たちは、引きこもるタイプではなく、むしろ、外にどんどん出たいタイプなんだ。でも、自分でそのことを表現することが難しいので、うまく外に出ることが出来ない。そのような話を聞いたとき、「自閉症」について正しい知識を持っていないがために、いろいろなことを誤解していることに気がついた。

その後、二回目のお誘いだったろうか、子供たちを連れて、家族で「つくしんぼ」に遊びに行った。「つくしんぼ」の庭にはプールが設置され、子供たちはそこで1日遊ばせてもらった。その時、山下久仁明さんにはじめてお会いした。そして、「ぼくはうみがみたくなりました」の映画化を計画していていることを知ったのだ。

「絶対に映画化すべきです・・・」
「ぜひ、映画にしてください・・・」。

「ぼくはうみがみたくなりました」を読み終えたみんながその映画化に賛同していた。その時には、映画を作るのにどれだけ費用がかかるのか、映画の自主制作がどれだけ難しことなのかなど、全く知らずに無責任なことを言っていたのだが・・・。

でも、「自閉症」のことを知ってもらうことが重要であり、「ぼくはうみがみたくなりました」が映画化され、その映画を通して、たくさんの人が「自閉症」のことを知ることが出来れば、素晴らしいことではないか。率直にそう思ったのだ。

そして、映画「ぼくはうみがみたくなりました」が完成した。映画化に向けて、どれだけ多くの苦難を乗り越えてきたのか、このことについては、私がここで簡単に説明することはとうていできない。ぜひ、山下さんご自身が綴ったブログ「おさんぽいってもいいよぉ。」を読んで頂きたい。

映画「ぼくはうみがみたくなりました」
は、明日から四週間、恵比寿ガーデンプレース内にある「東京都写真美術館ホール」にてロードショー公開される。すでに、マスコミにも注目されているが、これからもっと注目され、全国ロードショーになることを期待している。いや、間違いなく、そうなると信じている。

映画はまだ観ていないのだが、「自閉症」のことを知りつつ、、何か清々しい気持ちにさせられる素敵な映画に仕上がっているに違いない。できれば、原作である「ぼくはうみがみたくなりました」を読んでから、映画を観て欲しい。私も「ぼくはうみがみたくなりました」を改めて読んでから、ホールに向かおうと思っている。

■会 期:2009年8月22日(土)〜
■休映日:毎週月曜日(月曜が祝日・振替休日の場合はその翌日休映)
■会 場:東京都写真美術館1階ホール
■上映時間:
【土日火水】10:30/13:30/16:20/18:30
【木金】11:00/13:50/16:45/19:00
■料 金[当日券]:
一般1,500円(税込)/学生1,200円(税込)/中・小・シニア(60歳以上)1,000円(税込)
■各種割引:
○写真美術館友の会会員(会員証提示) 1,200円
○当館での展覧会、映画の半券持参者(いつのものでも可) 1,200円
○三越、アトレ、TS3カード会員(会員証提示) 1,200円
○最新号ぴあ持参 1,200円
○夫婦50割引(どちらかが50歳以上) 2人で2,000円

映画「ぼくはうみがみたくなりました」公式サイト
http://bokuumi.com/

2009年7月19日日曜日

かつて、道だったに違いない・・・



あの丘にあがってみたいよね。
でも、あそこに道が通っているとは思えないけど・・・。

ひでお隊長のスイッチはすでに入っていた。
丘の麓の農道をぐるぐる走り回る。

あれ、ここ、さっき通ったよね。
歩いて登るしか、ないかもよ。

こんなことでは、あきらめない。ひでお隊長の頭にはすでに丘に立っているイメージができあがっているからだ。しばらく走っていると、突然、目の前に緑門が・・・。まじっすか。

うわっ、道路が続いているよ。
ひょっとしたら、行けるかもしれない。

その緑門をゆっくりと走らせる。緑門には舗装された道路があったのに、緑門を抜けると、目の前に道は無くなった。



ありゃ、道がない。
ここで終わりか・・・

でも、なんとなく轍が見えるし、両側にガードレールがあるから、かつて、ここは道だったに違いない。久しぶりに車がここを通ったわけだ。自然の復帰力はものすごい。人間が舗装道路を作ったとしても、その道がこのように使われなくなってしまうと、あっという間に元の状態に戻ることが。



ゆっくりと車を進めるひでお隊長。寅さんがいたら、この時点で寅さんアラームは鳴りっぱなしに違いない。でも、今日はアラームが鳴らない・・・。後ろの席にはさおりちゃんしか座っていないからだ。

この先、行けるかどうか、ちょっと見てくるわ。
俺は、車にいるわ。



ひでお隊長は、車の窓をす〜っと開けて、窓から白玉を差し出してまわりの景色を撮っていた。撮影が終わると、す〜っと窓が閉まる。まるで、サファリで野生動物を撮影しているかのようだ。

調査の結果、この先、なんとなく道が続いているような気がしたので、とりあえず、車を進めることにした。ここから引き返すのはほとんど無理という状況だったのも事実(^^)

とうとう、進行方向、行き止まりになってしまった。このまま崖なのか。一瞬、背筋がぞっとした。

あれっ、左に曲がれるんじゃない?
ほんとだ、なんか行けそうな感じだね。

なんと、左方向に道らしきものが続いていたのだ。でも、その入口にはバラ線が外されたような形跡があったので、車を降りてバラ線が落ちていないかを確認することにした。バラ線を踏むとパンクの危険性がある。ここでパンクしたら、たぶんJAFに拒否されるだろう。安全を確認し、見事に左に曲がることに成功した。さらに車を進めたが、いよいよ車が通れそうもない景色が目の前に迫ってきた。ここでおしまいか・・・。でも、ここでおしまいって言われても、困るしな〜(^◇^)



とにかく、前に進むしかない。車のボディーがまわりの草木にすれ、「きゅきゅきゅきゅ〜」という音は、車が泣いているようにも聞こえた。ひでおカーから良く聞こえる車の叫び声だ。こんなところを走るなんて、この車は夢にも思っていなかっただろう。でも、これで一人前のレンタカーになったに違いない・・・(^_^;

とうとう、ジャングルの中を走っているような感じになってきた。もうここまで来たら、無理でも前に進むしかない。



この衝撃的な写真。まさか、車で通っているとは普通思わないですよね。突然、女郎蜘蛛が我々の行く手を阻んだ。さおりちゃんの叫び声が車の中に響く・・・。

通れるものなら、通ってみなさい。ふっ〜ふっふっふ・・・。

もちろん、我々はそこをそのまま突き進んだ。フロントガラスには、蜘蛛の巣がべったり張り付き、前がよく見えない状態に。



そして、急に前が開けたのです。やった〜、人間の世界に戻れた・・・。



我々の無謀な旅はこれで終わった。西表に住む人たちでも、この道を知っているものはほとんどいないだろう。確かに素晴らしい景色を見ることができた。でも、この道はおすすめできない。通り抜けることが出来たのは、間違いなく奇跡だったからだ。

Where are you ? I don't know! | さおたんのしっぽ
http://saotan.jp/blog/archives/2009/07/where-are-you-i-dont-know.php

2009年7月18日土曜日

この車でこの川を渡るんすか?



車で主要道路を走っていると、「イリオネテヤマネコ」のでっかい看板が見えた。その横にちらっと小さな川が見え、川の近くまで行けそうな脇道が伸びていた。ひでお隊長は、なんの躊躇もなくその道に入っていく。とにかく、目的地ぎりぎりまで車で進めるという運転癖があるので、最初はちょっとヒヤヒヤものだったが、いまではすっかり慣れてしまった。というか、今では、そういう行動をさらに煽っているかもしれない(^^)



このまま、向こう側まで渡れるんじゃない?
渡れない、渡れない。この車、四駆じゃないからさ。
あれっ、この車って、四駆じゃなかったっけ?
違う、違う(^_^;



旭川に一緒に行ったときには、運転している車が突然「耕耘機」になってしまい(^^ゞ、あぜ道を爆走したりもしたが、今回は、その行動を煽らなかった。浅くて渡れそうに見えるけど、万が一はまったら、この暑い中、車を押すのはいやだし〜。ハブに突然、襲われそうだし〜。



その川は、とても気持ちの良い川で、水面は日の光に輝き、空や雲が映り混む様子は本当に美しかった。川の音もやわらかく、心地よい音だった。その音は、radio TINGARAで紹介されているので、ぜひチェックして下さい。癒されますよ。

暑い日には西表島の小川のせせらぎはいかが? / バイノーラル自然音 | site TINGARA
http://www.tingara.com/mt/archives/2009/07/post_637.php

まっちゃん、山猫発見!? | さおたんのしっぽ
http://saotan.jp/blog/archives/2009/07/post-57.php

2009年7月14日火曜日

サキシマスオウノキ群生地で蒸される



サキシマスオウノキ群生地にたどり着いた。サキシマスオウノキってのがなにものなのか、全く知らずにその場所に連れて行かれる。鳥居をくぐると、なんとなくやばそうな雰囲気がした。そして、足下にきれいな花がたくさん落ちていた。サガリバナ。ちょうど今頃の時期、夜に白やピンクや薄いグリーンの花を咲かせ、強い芳香を放ち、そして、その花は一夜にして夜明けと共に散る。西表や石垣では、夜明けにその花の開花を見るためのサカリバナツアーが人気なのだそうだ。



空を見上げると、まさにジャングル。でも、たくさんの人が入り込んでいる形跡があるし、他にも人がいたりするので、ほとんど緊張感はない。ジャングルなんだけれど、どことなく観光地、という微妙な感じ。



サキシマスオウノキだと思われる木の板根は、ものすごい。板根っていうのは、木がどんどん成長するにつれて、自分自身を支えるために発達させた板状の不思議な根なのだ。昔は、この板根をそのままサバニの舵として使っていたらしい。

それにしても、ものすごい湿気。一気に、全身が蒸されてしまった。ここは、夜に来たら面白いかもしれない。絶対にそんなことはしないと思うが、そんな強がりを行ってみたい気にもさせる不思議な場所だった。さらに、いい音が録れそうな気もしたが、ここで夜中に録音したら、二度とこの世に戻れなくなる感じがしたので、今回はやめておくことにした。次回もやめておくと思う・・・。

小浜島をのぞむ



紅露工房を後にして、西表の路をさらに突き進む。西表島には周回道路は無く、北半分にしか道路がない。船で行き来するしかない陸の孤島のままになっている集落もあるそうだ。しかし、新しくトンネルができ、道路も少しずつ整備されている。



車を東に走らせると、左手に小浜島が見えてきた。もちろん、まだ行った事のない島だ。なんだか泳いで渡れそうな距離だ。しかし、西表から小浜島に渡るには、石垣島経由で行くしかないようだ。もちろん、漁船をチャーターすれば、直接行けるだろうが・・・。

ここで、私は寿命が縮まる思いをしたのだった。お休み処のテーブルにひょいと白玉を置いて、その場を離れた瞬間、強い風が吹いてきて、白玉(Lレンズ)はころころと転がり、テーブルから椅子に落ち、そして、椅子から地面に転がり落ちてしまったのだ。

うわ〜、もうダメだ〜、と思ったのだが、レンズ装着部側のキャップがちょっとへこんだだけで、レンズ外観にはダメージは無く、レンズの動き、写りにも全く問題が無かった。転がり落ち方が素晴らしかったのか、レンズにダメージが無かったというのは、本当に奇跡だった。今、思い起こすだけで、心臓がバクバクっす。



近くで心配してくれていた牛さん、ありがと・・・

紅露工房にて・・・2



紅露工房のお庭をちょっと散歩した・・・























また、やぎくんと目が合ってしまった。また、来るよ。
でも、その時には、きみはいないのかなぁ。
元気でね。

石垣昭子さん、素敵な時間をありがとうございました。

2009年7月13日月曜日

紅露工房にて・・・1



今回の旅で、「地球交響曲第五番」に出演された草木染織作家の石垣昭子さんにお会いできることは、自分にとって大きな意味を持つことになるかもしれない。そんな期待を胸に、西表にやってきたのだ。

アカバナが咲く長いアプローチを抜けて「紅露工房」に到着すると、庭を掃除している石垣さんの姿がすぐに目に入った。とうとう、ご本人にお会いすることができる。実は、つい最近、西表に縁のある方とお会いしたばかりで、そのときにも昭子さんの話が出ていた。それからほぼ一ヶ月後、まさか、自分が西表に来て、昭子さんにお会いするとは夢にも思っていなかった。でも、ご縁とはこういう形で、突然に繋がっていくのだ。

昭子さんが、にこやかに我々を迎えてくれた。さおりさんは、学生時代に「紅露工房」でお世話になったとのこと。そんなことが、さおたんのしっぽでも語られている。工房の建物に入ると、心地よい風が通り抜ける。まわりの空気とは明らかに異なる、清々しい空気を感じることができた。



昭子さんが最近依頼されて制作した作品を見せて頂いた。その色合いの美しさに、一瞬、言葉を失った。素材感も素晴らしい。まわりの自然が、そのまま、この作品になってしまったかのようなすばらしさ。さおりさんがそれを纏う。「紅露工房」の三ヶ月がよみがえってくるのだろうか。端から見ていて、さおりさんの時間がゆっくりと戻っているかのような錯覚に陥る瞬間だった。



先輩・石垣昭子さんを訪ねて紅露工房へ | さおたんのしっぽ
http://saotan.jp/blog/archives/2009/07/post-54.php

石垣昭子さんの工房を訪ねました。 / 西表島 | ひでおちゃんねる
http://hideo-channel.blogspot.com/2009/07/blog-post_07.html